自動車引取業登録について

廃車の保管施設

所有者から使用済自動車の引取を行う事業を自動車引取業といいます。要するに、廃車にする自動車を引き取って回収業者や解体業者に引き渡す事業がこれに該当します。

廃車の取扱については、自動車リサイクル法という独立した法律によって複雑な規制が敷かれており、安易に廃車を引き取ることは出来ない仕組みになっています。

本稿では、この自動車引取業を営むために必要となる手続きについてご案内したいと思います。

自動車引取業

引取業とは、自動車の所有者から使用済自動車の引取りを行う事業(自動車の所有者の委託を受けて当該所有者が指定した者に使用済自動車を引き渡すために行う運搬のみを行う事業を除く)をいう。

(自動車リサイクル法第2条第11項前段)

条文のとおり、というよりも文字どおり、自動車引取業とは、自動車の所有者から使用済自動車の引取りを行う事業をいいます。ただし、自動車の所有者の委託を受けて当該所有者が指定した者に使用済自動車を引き渡すための運搬のみを行う事業は除かれます。

使用済自動車

使用済自動車とは、使用を終了した自動車のことを指し、一般的には「廃車」と表現されます。「使用」には、倉庫としての使用その他運行以外の用途への使用も含まれるため、本来の運行の用途での使用が終了したのみの自動車は「使用済自動車」とはなりません。

また、保冷貨物自動車の冷蔵用の装置その他の自動車の使用を終了したときに取り外して再度使用する装置であって政令で定めるものを有する自動車にあっては、その使用を終了し、かつ、当該装置を取り外したものが「使用済自動車」となります。

解体自動車

解体自動車とは、使用済自動車を解体することによってその部品、材料その他の有用なものを分離し、これらを回収した後に残存する物をいいます。

自動車引取業登録

自動車引取業を営もうとする場合は、事業を行う事業所の所在地を管轄する都道府県知事又は政令市長・中核市長に登録申請をする必要があります。

なお、兵庫県の場合は、神戸市・西宮市・尼崎市・姫路市が政令市・中核市に該当するため、これら4市における事業所を設置する場合は、それぞれの市に対して申請を行うことになります。

登録の有効期間は5年間です。このため、継続的に営業するためには5年ごとの更新が必要となります。また、自動車引取業の登録を行う者は、併せて自動車リサイクルシステムへの登録も行う必要があります。

古物商との関連

廃車として引き取った自動車を中古車として転売することは可能ですか?

取り扱う品目に「自動車」を設定して許可を受けた古物商であれば、自由に中古車を販売することができます。それならば、無料で引き取った廃車を中古車として販売すれば、事業としても一定の利益が生み出せそうなものですが、このような場合にはどのような取扱がなされるのでしょうか?

残念ながらこれは認められていません。

自動車引取業者として「廃車」として引き取ったものについては、所有車の意思に反して転売することはできません。もちろん、引き取って解体した自動車の部品を販売することもできません。

自動車引取業者は、引き取った使用済自動車をフロン類回収業者や解体業者へと引き渡した後、使用済自動車引取証明書を所有者に発行します。解体後に永久抹消登録と自動車重量税還付の手続きが可能になった場合は、その旨を所有者に通知することになります。

登録に必要な要件

自動車引取業の登録を受けるためには、以下のように一定の要件が求められます。他の許可が必要な業種と比較しても難しい要件ではありませんが、申請前に許可を取得できるかどうかを事前に確認するようにしておきましょう。

欠格事由

以下のいずれかの事由に該当をする者は、自動車引取業の登録を受けることができません。

  1. 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  2. 自動車リサイクル法、フロン類回収破壊法若しくは廃棄物処理法又はこれらの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  3. 登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者
  4. 法人である引取業者が登録を取り消された場合において、その処分のあった日前30日以内にその引取業者の役員であった者でその処分のあった日から2年を経過しないもの
  5. 事業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  6. 引取業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が1~5までに該当する場合
  7. 法人の役員のうちに1~5までのいずれかに該当する者がある場合
  8. 申請者が使用済自動車からフロン類を確認する体制について、使用済自動車に搭載されている特定エアコンディショナーからのフロン類の適正かつ確実な回収の実施の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして主務省令で定める基準に適合していないと認めるとき
  9. 申請書若しくはその添付書類のうち重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているとき

その他の要件

次のいずれかの基準に適合することが必要です。

  1. 使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認するための適切な方法を記載した書類を有すること
  2. 使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーの構造に関し十分な知識を有する者が使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認できる体制を有すること

必要となる書類

必要な書類個人法人
自動車引取業登録申請書
住民票の写し×
登記事項証明書×
欠格事由に該当しない旨の誓約書
事業所の周辺図
引取業登録申請者が使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認する体制を説明する書類
事業所名簿
役員名簿×
※未成年者の場合は法定代理人の住民票の写しが必要
誓約書
誓約書
体制を説明する書類
体制を説明する書類

申請書に記載する事項

  • 氏名又は名称及び住所
  • 代表者の氏名(法人)
  • 事業所の名称及び所在地
  • 役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者)の氏名(法人)
  • 法定代理人の氏名及び住所(未成年者)
  • 使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認する体制その他主務省令で定める事項
申請書(1)
申請書(1)
申請書(2)
申請書(2)

まとめ

元よりリサイクルのシステムは複雑かつ煩わしいものですが、古物商、産業廃棄物収集運搬業、金属くず商、自動車解体業等々、許可や登録を必要とする業種は意外に多く存在し、混同してしまいがちな各業態の制度が、より一層複雑さに拍車をかけているように思います。

我々行政書士は、いわば皆さまが目指す場所への水先案内人です。複雑に感じる許可制度についても、煩わしく思える手続きについても、弊所までぜひお気軽にご相談ください。

新規登録申請33,000円〜
変更申請22,000円〜

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